バナナの皮がアート? Monikaの場合
バナナの皮が落ちています。
さてあなたはどうしますか?
道の真ん中に置いてみる
と、考えてしまうのは私だけではないでしょう。
ところがMonikaは、このバナナの皮を何ともロマンチックなアートにしてくれました。
EAR BOWLS
1 ear, 5 fruit peels.
10 photographs.
2015
ご覧のとおり、バナナの皮が耳に入っております。
しかもバナナ以外の果物の皮まで。
(ちなみに、彼女のお気に入りの皮はアボカドだそうです。耳にとてもフィットしたとか。)
この果物の皮を受け入れた耳の持ち主は、monikaの恋人jamesです。
私には、バナナの皮を耳に入れる発想がさっぱり分からなかったので、本人に理由を聞いてみました。ただ、コンセプトを丸ごと聞くのも面白くないので、
①バナナの皮とは?②恋人の耳とは?
の2つについて質問してみました。
Monikaいわく、
①なんかかわいい②皮を入れやすい
という答えでした。
うーん、とてもハイレベルです。
私なりの解釈をしてみましょう。
Monikaは、バナナの皮(その他9種類の果物の皮)が何だかかわいく思えて、どこかにしまっておきたくなったんです。
小さいころ、どことなくきれいに見えて集めていた石、あんな感じです。
そこでmonikaが、しまう場所として考えたのは、耳。何となくフィットするからとのことですが、私にはもっとロマンチックな意味に思えます。
私達が大切なものをしまう時、なくなる心配のない信頼できる場所を選びます。例えば、鍵のついた金庫とか。
monika の場合、その信頼できる場所は恋人であったわけです。
そう考えると、耳に収められた果物の皮たちは、まるでベルベットのボックスに丁寧に収められたジュエリーのようにも見えます。安心感のようなものでしょうか。
つまり、「EAR BOWLS」からは、自分の大事なものは、jamesに託しておきたいという、恋人への全幅の信頼を感じることができます。
まさかバナナの皮が愛の表現につながるとは。
上記は、あくまで私の主観ですので、他の人がどう考えるのか興味津々です!
アートを観賞するのは難しいと言われるけど、見る人によって着目点は違っていいと思います。人が持つ根本の考え方や、生きてきたバックグラウンド、その時の気分などによって、同じアートを見ても感じるものは違うはずだからです。
アートについて交流することで、自分とは違う考え方を知ることができる。
だから、私はアートを見る人ともっと交流していきたいし、アートにもっと素直に意味付けをしていきたい。
と、monika の作品を見て改めてアートの面白さを知ったのでした。
ちなみに、Monikaは4月から世界のアートプロジェクトに参加する予定だそうです。
新しい作品が完成したら、またインタビューしてみることにします。
Artist info.
Monika Balu